5時間目の数学の授業は、まったく耳に入ってこなかった。


今朝の柊先輩の言葉、それから昼休みの梨花先輩の言葉が、頭の中で交互にリピートされる。


私は、このまま柊先輩のことをずっと好きでいていいんだろうか。


柊先輩には遠回しに拒絶されたんだと思うけど、梨花先輩には背中を押されるようなことを言われた。私は2回もフラれてるっていうのに。


……あーもう!わかんない!
考えるのはもう疲れた!


つらい恋だっていうのはわかってたはず。それを承知のうえで、柊先輩を振り向かせると決めたじゃないか。


確かに、実際に距離をとられるようなことを言われたあとにアタックをし続けるのは勇気がいるけど、それも覚悟の上だった。


それだったら、もう突き進むしかない。
うじうじ考えてる暇があったら、本気で柊先輩が好きなんだと伝える努力をしなきゃ。


よーし!やってやるぞー!


拒否られても突っぱねられても、私は柊先輩が好きなんだ!誰が何を言おうと、アタックしまくってやる!想い続けるのは、私の勝手だもんね!


とりあえず、まだつきまといますっていうことを言っておかないと……部活中にお邪魔して大丈夫かな……。


「……ま!三島!三島かえで!」


「はいぃっ!?」