「あれ?もしかして、かえでちゃんじゃない?」



菜々とふたりで頭を抱えていると、ふんわりと優しい声で名前を呼ばれた。


振り返ってみると、そこにいたのは私の憧れでもあり……恋敵でもある人だった。


「り、梨花先輩っ!?」


「こんにちはー♪」


ひえぇ、今日もなんて麗しいのでしょうか。女の私でもみとれてしまう……!


「柊から聞いたわよ。かえでちゃん、柊に告白したんだって?」


「えっ……あ、はい、まあ……」


“柊”って呼び捨て……。部活の時は、苗字にくん付けだったはずなのに……。


柊先輩が私のことを梨花先輩に話してるということよりも、私は梨花先輩の柊呼びが気になって、頭がいっぱいになってしまう。


そういえば、柊先輩も“梨花”って呼び捨てにしてたな……。
私も一応、先輩に名前で呼んでもらえてるけど、ちゃん付けって何だか子供扱いされているような気がしなくもない。嬉しいは嬉しいんだけど。


「ねぇ、かえでちゃん」


「えっ、あ、はいっ。何でしょうか」


またもやぼんやりしかけたところを、梨花先輩に呼びかけられはっと我に返る。


梨花先輩は、ドキッとしてしまうくらい優しい笑顔で私に問いかけてきた。



「柊のどういうところが好き?」