「内村先輩、私、あの……」
ドキドキドキドキ。
いや、バクバクと表したほうがいいかもしれない。
誰もいない、校舎裏で。
ずーっと想い続けていた、憧れの先輩を呼び出した。
今日も彼、内村柊(うちむら しゅう)先輩はかっこいい。
ああっ、緊張する。
でも言うって決めたんだ。
私が2年生になって。
内村先輩は3年生なって。
同じ学校で一緒にいられるのは、今年で終わり。
だからその最後の1年間も、彼氏と彼女という関係で過ごせたらいいなって。
だから……。
「ずっと、内村先輩のことが好きでしたっ!
つつ、付き合ってくださいっ!」
「ごめん、無理」
勢い良く頭を下げて、大きな声で言った。
「へっ……?」
あまりにも即答だったので、私は聞き逃してしまい、思わず聞き返してしまった。
「だから、ごめん。付き合えない」
三島かえで。16歳。
初めて人を好きになって、初めて告白をして、初めてフラれました。
ものの3秒ほどでフラれてしまいました。
さよなら、私の初恋……。