そんな様子の三重野先輩に、水樹先輩がニッコリと微笑みながら一言。


「別にそんなこと聞いてないんだけどね」


確かに、私は猫が好きかと聞いただけ。

可愛いものの話はしてない。

とすると、もしかしたら三重野先輩って可愛いものとか好きなんだろうか。

照れて隠してるように見えなくもないしなぁ。

突っ込まれた三重野先輩は尚も慌てながら話す。


「ととととと、とにかくっ、生徒会は生徒の代表、模範であるべきよ」


佇まいを直し、ボブカットの髪を耳にかける三重野先輩。

その言葉に、会長がうんうんと頷いて。


「よし。生徒会で子猫の命を守りぬき、生徒の鏡となろうじゃないか」


会長の宣言に、藍君と赤名君も口元に笑みを浮かべて賛成してくれた。


「ありがとうございますっ」


私がみんなに向かって頭を下げると、水樹先輩も「ありがとう」と伝えて。


「頑張りましょうね、水樹先輩」

「うん」


嬉しそうに目を細めた水樹先輩を見て、私もまた、笑顔を浮かべた。