水樹先輩は猫が好きなんだろうか。
だから同じものを好きと言えと?
よくわからないけど、さっきの儚げな雰囲気から一転しすぎな展開なんですけど!
ハッ!? 待って私。
これも先輩の話題転換の術だとしたら!?
だとしたら……
「す……好きです、猫ちゃん」
乗るしかない。
「良かった! じゃ、こっち」
嬉しそうにしながら水樹先輩が案内したのは体育館の裏手。
ここはあまり人が通らない場所で、草も手入れされていないのか伸び放題になっていた。
その草の茂みの中に。
「ミャー」
か……
「可愛いっ……」
子猫が3匹、身を寄せてこちらを見ていた。