「水樹先輩、会長が私を何ですか?」


自分の事を話題にされて、気にならない人がいるだろうか。

いるかもしれないけど、私は気になっちゃうタイプなので、今夜の安眠の為にズバリ聞いてみた。

けれど、再び会長が割って入る。


「いいんだ! 過去は重要じゃない。大切なのは今。今、真奈ちゃんと俺が想い合ってるということだけだ」


そうだろう? と机に肘をつき、かっこ良くポーズを作った会長。

過去は重要じゃない……か。

話の内容がどんなものかわからないから何とも言えないけど、会長の言葉に共感した私は頷いた。


「想い合ってはないですけど、確かに、過去より今の方が大切ですよね」


笑顔で伝えると、会長は半ばヤケクソの笑みを浮かべる。


「今日も愛しい傷をありがとう!」


それを見て肩を小さく揺らして笑う水樹先輩。


「じゃ、変態白鳥の許可も得たし、行こうか」

「そ、そうですね」


水樹先輩って時々Sだよなぁ……

特に会長には。

突っ込みのし甲斐があるのはわかるんだけどね。

私は、生徒会室を出る水樹先輩について廊下に出た。