「あ、忘れ物があるからちょっと教室に寄っていい?」


水樹先輩は顔だけ振り返ると、そう言った。

私が頷いてみせると、そのまま水樹先輩のクラスへと向かう。


『3-2』のプレートがある教室に先輩が入っていく。

私は、上級生の教室に入っていいものかと入り口で躊躇っていると、先輩が手招きしてくれたので足を踏み入れた。


窓際、後ろから2番目の席に座った水樹先輩。

先輩は机の中に手を入れ何かを探している。

やがて、プリントが出されて机の上に置かれた時──


私はソレを発見した。


見覚えのある、先輩のいたずら描きを。