結局負けたのは会長で。


「くぅ~っ。どうせ貢ぐなら真奈ちゃんだけが良かったよ。はい、俺の愛がこもった真奈ちゃんの分」

「あ、ありがとうございます」


どうやら、全員分おごりというオプションまでつけられていたらしい。

そして、これを機に、みんな少し休憩となった。


水樹先輩はペットボトルを手に立ち上がると、私を見る。


「外で休憩してくるけど、一緒に行く?」

「いいんですか?」


お邪魔じゃないかな、なんて思ったけど、水樹先輩は優しい笑みを浮かべて「もちろん」と頷いてくれた。


そうして、私たちが訪れたのは裏庭。

ここは日陰が多くて風も通るから、夏でも涼しく過ごしやすい場所なのだ。


私は先輩と並んで芝生の上に腰を下ろした。

少し離れた場所にはペチュニアの花壇が連なっていて、私はそれを目で楽しむ。