今までのやり取りを見守っていた三重野先輩がキッと会長を見る。
「ちょっと。私まで入ってないでしょうね、その勝負」
「そこは問題ないさ。女子は俺特権で休んでていいから」
こんな風に女子には優しい会長は……
「よーしヤロウ共は問答無用でスタンドアップ」
スイッチが入ると男子には容赦なかったりするんだよね。
それにしても、何であっちむいてほいセレクトなんだろうと思っていたら、藍君が質問する。
「てか会長、そこは腕相撲とか男らしく勝負じゃないっスか?」
「それだと俺がパシる率が上がる! だからあっちむいてほい」
それであっちむいてほいだったのか。
納得してると赤名君が明るい表情で会長を見つめる。
「さすが会長! 自分を理解した正しい判断!」
赤名君の言葉に水樹先輩が笑みを浮かべて。
「さすが赤名。尊敬してるのか貶してるのかわからないね」
的確な突っ込みに、私は思わず笑ってしまった。
そして──