「ごごごご、ごめんっ! でもほら、これは不可抗力で……」


謝る赤名君だったけど、藍君は気がすまないのか「うるさい」と言い放ってから、私が手にしたホースを奪い取る。

そして、仕返しと言わんばかりに。


「ぎゃあああ、つめっ、冷たいっ!」


ホースの先を潰し、勢い付いた水を赤名君にぶっかけた。

藍君の比じゃないくらいにずぶ濡れになった赤名君。


けれど──


「冷たいけど、これはこれで気持ちいいや」


どうやら楽しんでいるらしい。

赤名君のポジティブさに藍君の怒りも消えてしまったらしく。


「アホらし」


そう言うと、ホースを私の手に戻し掃除へと戻った。