もしかして、私の失敗から話題を変えてくれたんだろうか。

気を使わせて申し訳ないと思いつつ、私は先輩の優しさに合わせる。


「そうですね。涼めそうだし、楽しみです」

「掃除なのに?」


少しだけ首を傾げた水樹先輩。

私は笑みを浮かべて話す。


「普段できないことをするのって、ワクワクしません?」


例えばそれが苦手なことなら遠慮したいかもしれないけど、そうでないなら楽しい。

今回のプール掃除なんて、水泳部でも入らない限り経験できないだろうし。


「それに、生徒会のみんなとならきっと楽しいですよ」


伝えると、水樹先輩は柔らかい笑みを浮かべ頷いた。


「うん。明日のプール清掃頑張ろう」