驚きの目で会長を見ると、会長はキラッキラの笑顔を私に向けていた。
「今"はい"って言った。ありがとう! 俺のオススメコースは駅前通りで最近噂になってるケーキを」
「食べる暇はないのよ会長!」
会長のプランをバッサリと切ったのは三重野先輩だ。
三重野先輩は眉間にしわを寄せて会長を睨んでいて、睨まれている会長は情けなく眉をハの字にすると唇を尖らせた。
「なんでだよ副会長!」
いじけて抗議する会長に、三重野先輩が呆れたように深い溜め息を吐く。
「明日は生徒会全員でプール清掃をすることになったでしょう?」
会長と三重野先輩以外の私たちには初耳で、何の話かと顔を見合わせた。
ただ、水樹先輩だけは、驚くも不思議そうとも違う、どちらかといえば成り行きを見守るような穏やかな瞳で会長と三重野先輩を見ている。