夢でもデジャヴでもいい。

またあの悲劇を繰り返すものかと心の中で誓い、私は机の上に置いてあったジュースを鞄の中にしまった。

飲みたい時だけ取り出して、あとは鞄の中に入れておこう。

そうすれば大丈夫。

小さく頷いた時、水樹先輩がジッと私を見ている事に気がついた。


「どうしたんですか?」

「ジュース、どうして仕舞ったの?」

「あ……いえ、議案書に零したりしたら困るかなぁって」

「……零しそうな気がするの?」

「な、なんとなく?」


実はそんな未来になるかもしれないんです、とは言えず。

私が曖昧な笑みで伝えると、水樹先輩は「そっか」と小さく笑んで、再び目安箱のまとめに取り掛かった。


まあ、そうだよね。

今の今まで飲んでいたジュースを鞄に仕舞ったら不思議に思うよね。