二度寝の魅力は私も知っている。

休日、ああ今日は学校休みだからまだ寝れるんだーって、また寝る時の幸福感といったら。

寝ることが好きな水樹先輩の気持ち、すごくわかる瞬間かも……なんて考えていた私に、「というか」と、先輩が口元に緩く笑みを浮かべたまま声を発した。


「生徒会の用事とかなしで真奈ちゃんからモーニングコールもらうの、初めてだよね」

「そうでしたっけ」

「うん。何かあった?」


あったといえば……あった。

いや、現在進行形で、ある。


今私がいる夏が現実であるならば、私がすごして来たはずの夏は夢だったのか。

確か、前に体験した"今日"は普通にバスに乗ってあわや遅刻なんて状況にはなかった。

赤名君にも会っていないし、変態扱いもされてなかった……はず。

ということは、やっぱり夢?

先輩にモーニングコールした時には気づかなかったけど、LINEの履歴も7月まで戻っていたし……