チラリと水樹先輩の様子を見れば、彼は私たちのやり取りを微笑んで見守っているようだった。

ちなみに、私より先に自転車で学園に到着した赤名君は、すでに席についてリラックスしている。

息も整ってきたところで、私も空いている席に腰を下ろした。

空いている席といっても、それぞれが座る席はなんとなく役職で分かれていて。

私が座る席は……


「おはよ、真奈ちゃん」


いつも、水樹先輩の隣だ。


「おはようございます」

「うん。2度目だね」


ニッコリと笑う水樹先輩に私は首を傾げた。


「2度目?」

「モーニングコール。ありがとう」


あ……LINEのことだ。


「い、いえ。でも先輩、二度寝は危険ですよ」

「うん。わかってる。わかってるけど好きなんだ」

「まあ、気持ちいいですもんね」