「ぜぇっ、ぜぇっ」


忘れていた。

赤名君の自転車に乗った時は、これで救われたと思っていたけれど。


すっかり失念していたのだ。


『それじゃあモッチー、生徒会室で~』


今日は終業式で生徒会からの挨拶がある。

それゆえに、朝からミーティングがあることと……


赤名君は、いつも遅刻ぎりぎりに登校することを。


学園の正門をくぐり、生徒玄関で上靴に履き替える。

そしてバタバタと廊下を走り、途中で先生に注意されつつも階段を駆け上がった。

たどり着いた生徒会室の扉に手をかけ、息を切らしながら開けると。


生徒会のメンバーが揃って、私を見た。


水樹先輩も


ちゃんと、いる。