赤名君は「もしかしてモッチーも会長リスペクト?」等と見当違いなことを口にしてるけど、ごめん。それはないの。

というか。


「ごめんね赤名君。私、遅刻しちゃうから急ぐね」


赤名君との交流時間で若干回復した私は、チャリ通の赤名君に背を向けた。

すると。


「あ、そういうことかぁ。オッケーモッチー。僕の後ろに乗って」

「え?」

「困ったときは助け合うのが当たり前でしょ? 先生に見つかるとやっかいだから学校の手前までだけど、それでもいいかな?」

「助かる! ありがとう赤名君っ」


ちょい残念な人とか思ってごめんなさい。

心の中で謝って、私は赤名君の自転車のステップに足をかけた。

景色がいつもより高くなって。

赤名君の肩に手を置くと、赤名君が肩越しに振り返る。