このヘバッた体で軽快に自転車を避けれるだろうか。
そんな不安は自転車に乗った人の姿を見てすぐに消え去る。
「赤名君」
「おはよー、モッチー! なになに、朝のロードワーク?」
笑顔を浮かべて私の隣に自転車を止めた赤名君は、生徒会メンバーで役職は会計だ。
赤名 瑚太郎(こたろう)君。
彼は私と同じ2年生で、いつも明るく元気いっぱい。
好奇心旺盛で友達も多いタイプ。
加えて勉強もできる人なんだけど……
「会長も早起きが日課で毎日走ってるらしいよ」
「そ、そう……」
「そんで、引き締まったボディーを眺めて満足してるんだって。さすが会長だよね。僕も走って眺めるべきかなー?」
変わった思考の持ち主で、なぜか会長に憧れてるというちょい残念な人なのだ。
藍君いわく『頭のネジが緩いおバカ』らしい。