「続きは私が作るから。ね?」
懇願すると、おじいちゃんは眉間にしわを寄せる。
普段から強面気味な顔が、完全に強面になった。
「風邪なんてひいとらん。というか、顔びしょぬれのまま何してるんだ馬鹿もんが」
「あ、ごめん」
顔拭くの忘れてた。
私は焦ってタオルで顔の水分を拭う。
「それに、風邪ひいても真奈に飯はまかせられん」
「え」
「真奈に任せたら朝食が全滅するわ」
う……そこまで言わなくても。
確かにちょっと料理は苦手だ。
でも、食べれないことはないと思うんだけどなぁ。
形が変わろうが真っ黒になろうが元は食べ物なわけだし?