私は思わず顔を上げ輝かせてしまう。

だけど、水樹先輩の表情はまだ浮かないまま。


「君を信じれても、俺は自分も信じることも必要なんだと思うから。それと……覚悟も」


それは、万が一の為の覚悟……なんだろうか。

だとしたら、私もしなくてはならないものだ。


「……はい」


しなくてはならないけど、どうせなら私は、生きる為に足掻きたい。

死にたくなんかない。

死んで、水樹先輩を悲しませない為に、精一杯足掻く。

私はその為の覚悟を持ちたい。


気持ちを前向きにした時、あることにふと気付いて私は慌てた。


「あああ、あのっ、散々まくし立てて今更なんですけど……」

「ん?」


水樹先輩が、瞬きをして私の言葉を待つ。