会長は、勇気付けるような笑みを浮かべて。

けれどふと、その笑みに苦さを含ませた。


「まあ正直、あいつの事は俺もちょっと心配でさ。元々変なとこあるけど、輪をかけて最近変だし」


そっか……

やっぱり会長も気付いてたんだ。


「私……できるかな?」


本当は、拒絶されたのにぶつかりに行くなんてとても怖い。

だけど、会長がもう一度「真奈ちゃんなら絶対に」と言ってくれたから。


淡い夕日に包まれながら私は、肯定の代わりに微笑んでみせた──‥