「じゃあ、どうして水樹先輩はかまうななんて……嫌いになれだなんて言ったんですか?」


疑問をぶつけると、会長はほんの少しだけ考えるように私から視線を逸らす。

そして、再びその視線が私へと戻れば。


「だからきっと、何か理由があるはずなんだ」


口元に笑みを浮かべ、頷く会長。


そうだった。

会長はいつも、真っ直ぐ誰かを信じれる人で。


今の私には、そんな会長の心根がとても眩しい。


「……会長は、水樹先輩を信じてるんですね」


呟いて足元に視線を落とす。


「真奈ちゃんは? 信じてないの?」

「私は……よく、わからなくなってきてるかも……」