強い……強すぎる拒絶に、ドクンと心臓が嫌な音を立てる。
「わ…たし……何かしました?」
「…………」
水樹先輩は何も答えない。
ただ、私を見つめたまま、ふいに吹いた風に柔らかな髪を揺らしているだけ。
理由を……せめて理由を知りたくて。
「水樹せんぱ──」
一歩、先輩に近づこうとしたけれど。
「来るな」
また拒絶されて、私は動けなくなる。
「もう、帰りなよ」
つまりそれは、ここから去れという意味だろう。
水樹先輩の瞳はもう、私を見てはいない。
その視界は再び、子猫たちの思い出がつまった物に向いていた。