「きゅ──」
動揺に言葉が詰まる。
それでもなんとか搾り出すようにして声を出して。
「急に、どうして?」
問いかければ、水樹先輩は私を見ないまま固い声で「子猫たちが死んだから、ダメなんだ」と言った。
その答えでは益々理解できなくて。
「い、意味がわかりません。もっとちゃんと教えてください。じゃないと、どんどん先輩のことがわからなくなって──」
「必要ないんだ」
水樹先輩の少し強い声が、私の言葉を遮る。
そして、ようやくその瞳が私の姿を捉えてくれたかと思えば。
「君は俺のことを気にしなくていい。理解もいらない」
厳しく冷たい声で。
「できれば、今すぐ俺を嫌いになって」
私を、突き放した。