クーラーボックスには、お茶やジュースの入ったペットボトル。

木炭に火が点くと、赤名君が火を早く回す為に団扇を扇いだ。

三重野先輩は肉や野菜を切り、それを受け取った水樹先輩が串に刺して。

私はというと、藍君の横で味付けを手伝っていた。

藍君は串で焼くものだけじゃ飽きるからと、アルミホイルを使って作る料理を製作中。

きのこにバターを乗せたり、相変わらず手際がいい。

それを横目で見た会長が紙皿を出しながら「あー」と声を出した。


「お腹と背中がランデブーしそうだー。限界だー」


さっき聞いた話だと、会長はバーベキューの為に朝食を抜いたらしい。


早く会長のお腹に入れてあげねばと、私は水樹先輩が並べた串に刺さるお肉たちに調味料をふりかけた。


──と、藍君が落ちるんじゃないかと思うくらい目を丸くして。


「望月ストップ!! 何してんだアンタッ」


ガシッと私の手首を掴んだ。

心なしか顔が青い気がする。