「なんで、玉森が?」
不意に漏らされた声。
視線は藍君の背を見つめていて、再び、形のいい唇が動く。
「玉森と、どうして一緒にいたの?」
「──え?」
藍君と?
一緒にって……今まで生徒会室で藍君と2人で先輩たちを待っていたこともある、けど。
どういうことだろう?
意味がわからず、理解する為に思考をフル回転させていたら。
水樹先輩は浮かない表情で「何でもない」と会話を終わらせてしまった。
ああ、また。
もどかしい。
だけど……また、拒絶されたらと思うと。
「真奈ちゃん、みんな行っちゃうよ」
「……はい」
昨日のように踏み込むことができない私は、笑みを作ってみんなを追った。