──30分後。
重い荷物を手にバーベキュー場に戻ると、管理棟にはすでに生徒会のみんなが集まっていた。
会長と赤名君は、バーベキューグッズが入っているであろう大きな荷物を抱えている。
三重野先輩は受付で係りの人から説明を受けていた。
会長は私と水樹先輩に気付くと手を振って「ご苦労さま!」と爽やかな笑みを浮かべる。
その声にみんなとは少し離れたところに立っていた藍君が顔を上げて。
「持つ」
短い言葉を発すると、私の手から食材の詰まったビニールの手提げ袋を奪った。
「えっ、あ、持てるよ?」
水樹先輩が重いからと私の持つ分は軽くしてくれた。
だからそんなに重くないんだけど、藍君は何も答えずに会長たちと並んで、予約してあるスペースへと移動を開始してしまう。
ならばせめて、と。
「水樹先輩、半分持ちますね」
水樹先輩の負担を軽くしようと、隣に立つ彼に話しかければ。