「あのっ、いいんですか?」

「うん。興味ないしいいよ」


それは、映画のことなのか、お友達のことなのか。

というか……


「何の映画ですか?」


なんとなく気になって聞いてみると。

水樹先輩はちょっとだけ意地悪そうに口の端を上げた。


「話し、聞いてたんだ?」

「き、聞こえちゃったんです。ごめんなさい……」


決して盗み聞こうとしたわけじゃないんだと話せば、クスッと笑う水樹先輩。


「責めてるわけじゃないよ。映画のタイトルは、"君が教えてくれたもの"」

「あ、それ、私も観たいと思ってたやつだ」


近未来を舞台にしたラブロマンス。

ストーリーも好みっぽいんだけど、何より──