「ふふふ……」


私は、口の端を上げた。


「気持ちわる」

「なに玉森。胃もたれー?」


赤名君に聞かれた藍君は、私を奇妙なものを見るようにしながら「いや、望月のこと」と言った。


いいのよ藍君。

なんとでも言ってください。

私は今、気分がいいから許しちゃう。

なんたって、宿題……


「実は、残すのところ読書報告のみなの!」

「おおおっ! モッチーすごーい!」


実は毎日コツコツ頑張ってた私。

これも私の中にある記憶の賜物だ。

確か、バーベキューの日に宿題のせいで遅刻して、水樹先輩に迷惑をかけたはずなのだ。

だから、それがまた繰り返されないようにと、日々机に向かって頑張っていた。

おじいちゃんには天変地異が起きるとかひどいこと言われたけど、宿題頑張って悪いことがいいことに変わるというならいくらでも頑張るつもりだ。