「うーん。会長、やっぱり歩き方もかっこいいなぁ」


赤名君らしいのが、今はとても嬉しい。

胸がチクチクと悲しく痛んでいたあの夏とは違う、いつもどおりの……


「僕、次の生徒会長に立候補してみようかなー」


ううん、少しだけ強くなった赤名君は。


「そんで、モッチーが副会長とかどう?」


今日も明るい笑顔を向けてくれている。


「そういえば赤名君、自転車は?」

「あー、チャリはストーカー予定だったから、会長が使う駅に置いてきたんだー」


そ、そこまでするんだ。

赤名君の変な方向に走ってる努力に苦笑いしたところで、水樹先輩が少し眠そうにしながら歩いてくるのを見つけた。


「水樹先輩」


私が声を掛けると、先輩は頬を緩める。