「そっかぁ……今の赤名君があるのは、会長のおかげなんだね」
だからこその尊敬と憧れなんだと、話を聞いて納得した。
「そうだね。まあ、もっちーもかいちょ」
「赤名」
何か言いかけた赤名君を、水樹先輩の柔らかい声が制す。
赤名君はハッとした顔をして。
「わ、あぶなっ。うっかり……。ありがとうございます、水樹先輩」
お礼を言った。
けれどすぐに首を傾げる。
「って……もしかして、先輩も知って……?」
「ちょっとだけね」
「そうなんですね。あ、やば。そろそろ戻らないとだ。じゃー、僕はそろそろドロンしまーす」
「ドロンって。古すぎて逆に新しく聞こえるよね」
そ、そうだろうか。
水樹先輩の感覚はよくわからない。