察してぐいぐい行くって!
あー…でも、さすが会長、なのかな?
なんて思っていると、水樹先輩も横で小さく笑っている。
そして、赤名君も。
「ハハッ。え、だよねー。僕も何だこの人とか思ったけど、なんか憎めなくて。気付いたら、全部話してた」
何を話したのかは語らなかった。
きっと、赤名君にとって深い傷なんだろう。
無理に聞くのも良くない気がして、私は何も言わずに彼の話に耳を傾けた。
「僕の話を聞いて、会長は言ったんだ」
『時間が経てばそのうちに変わっていくこともあるけど、その気があればすぐにでも変わろうとすることは出来るんだ』
「それで、会長は自分がきっかけになってくれるって言って……」
『仕方ない。とておきの俺の秘密を教えてやろう』
「誰にも言わないようにって、教えてくれた。それを聞いて、僕は決心したんだ。変わろうって。まずはこの人を信じるところから始めようって」
赤名君は話し終えると、スッキリしたのかいつものニコニコした表情に戻る。