恐ろしい光景に、私は苦笑いしながらどうにかフォローを試みる。
「で、でも、頑張って飲んでたんだね。どうしてそこまで会長に憧れてるの?」
美味しくないジュースを頑張って飲むほど憧れてる。
前から単純に気になっていたのもあって、なんとなく聞いてみれば。
「んー……まあ、2人ならいいかな」
そう言うと、赤名君はいつもよりも真面目な声で話し始める。
「僕、中学の時にちょっと嫌なことがあってさ。人が苦手だったんだ」
「えっ!? 赤名君が?」
「そう。僕が」
赤名君は眉を下げ、微笑しながらそのまま話を続けた。
「それで、入学式の時に雰囲気の息苦しさに辛くなって、裏庭にいたら会長に見つかって。迷子かーって聞かれて、違うって答えたら、会長はなんとなく察してくれてさ」
「会長、距離をとってくれたとか?」
「ううん。ぐいぐいきた」
「え」