「……ど……して……家にいるの?」
え? あ、もしかして寝ぼけてる?
ここが自分の家だと思ってるんだろうか。
「先輩、ここは」
「ああ……そうか。夢……」
やっぱり完全に寝ぼけてる。
しっかり起こさないと、朝食に間に合わなくなりそうだと思った時だった。
水樹先輩の肩に添えられていた私の手に、水樹先輩の手が重ねられて。
「ごめんね……俺……」
指が、柔らかく絡められる。
まるで、恋人のような優しい行為に私の胸は否応なしに高鳴った。
寝ぼけてますよと、声をかけることもできない。
心臓はバカみたいに騒いでるのに、私の体は金縛りにあったように身動きひとつできないでいた。
その間にも、水樹先輩の唇は言葉を紡いでいて。