「女子じゃあるまいし」

「もちろん俺が好きなのは真奈ちゃんだ」


愛してるよ真奈ちゃんと、私に手を振る会長。

これまではこの冗談を適当に流すことが出来てたんだけど、今はちょっと困る。

三重野先輩の気持ちを知ってしまったからだ。

チラリと三重野先輩を盗み見れば、先輩は無言でコップを拭いていた。

表情はいつもと同じ。

機嫌が悪いようにも良いようにも見えない。


私は曖昧な笑みを会長に返すと、水樹先輩がソファーに背中を預けながら「俺は寝るのが好き」と話す。

それに続いたのは、リモコンを操作し、チャンネルを変える藍君。


「俺はさばの味噌煮が好きっスね」

「待てこら。俺の真奈ちゃんへの想いをさばの味噌煮と同じレベルにするな」

「僕は会長を尊敬してます!!」


赤名君が瞳をキラキラさせて会長をリスペクト。