宿泊地は会長の親戚が持っているという伊豆の別荘。

生徒会のミニ合宿で借りたいと会長が連絡したら、鍵はポストに入れておくから好きに使いなさいと言われたらしい。

なんて物分りのいい親戚なんだろう。

会長のご両親も生徒会の仕事なら頑張りなさいと、疑う素振りも見せずにOKを出したと会長が話していたし、会長の家の血筋は皆大らかだなぁ。


感心している私はというと、おじいちゃんには正直に説明できなかった。

なので、三重野先輩が提案した「生徒会のスピーチ大会に参加することになった」という嘘をついてしまいました。


本当にごめんなさい、おじいちゃん。


ちなみに、どうやら水樹先輩を含めた男子たちは、友達の家に泊まると言っただけで済んだらしい。

嘘が必要だったのは、私と三重野先輩だけだった。

男の子っていいなぁ。


そして、お泊り決行の金曜日。

ヤキソバたちのお世話は日長先生にお願いし、午前中に生徒会の仕事を終えてから、制服のまま皆で移動を開始した。