水樹先輩の言葉にどう対応していいのかわからずにキョドッていると……
「真奈ちゃんは、初対面の俺に嘘のない笑顔で接してくれた。そんな君の笑顔に、一瞬で癒されたんだ」
先輩は柔らかい表情のまま、続けて言葉を紡ぐ。
「だから、君がいるところなら、俺にとってそこは居心地のいい場所なんだよ」
それは、私にとって極上スイーツのような甘い言葉。
ともすれば、恋人に囁くようなセリフに、鼓動がうるさいくらいに高鳴る。
こんなの勘違いしない方がおかしい。
だけど、告白されたわけじゃない。
水樹先輩を好きだから変に脳内変換してしまうだけだ。
先輩をなんとも思ってない人が聞いたら、恋や愛に結び付けたりはしないはず。
私は平常心を取り戻そうと静かに、けれど深く大きく息を吸って吐いてから。
「あの、先輩? 前から思ってたんですけど」
「うん?」