「……良かった……」


三重野先輩が零した声には安堵の色。

切なそうに眉を寄せながら微笑む表情が物語るものは……


まさに「恋」。


そんな三重野先輩の姿を、水樹先輩は温かく見守っていて。

私もまた、心にポカポカしたものを感じていた。


三重野先輩はアヒルのストラップを受けとると、照れたような笑みを浮かべる。


「本当にありがとう。あの……このことは……」


ハッキリと言わなかったけど、私と水樹先輩は何が言いたいのかわかっていたから。


「大丈夫です。3人の秘密にしましょうね」


そう告げると、三重野先輩は恥ずかしそうにしながら眉を寄せ、再び「ありがとう」と声にした。

直後、ハッとした表情をしたかと思うといつもの表情に戻って唇を動かす。