真夏の太陽の光を受けてキラキラと輝く水面。

膝より少し低い位置で流れる川の水温はひんやりとして心地いい。

流れはゆっくりしている川とはいえ、三重野先輩の落し物が流されてないといいけど……

って、今気付いたけど、何を探せばいいんだろう。

あ、これかな?

いや、さすがに違う気もするけど、一応聞いてみよう。


私は、足を滑らせたりしないようにと気を配りながら、川底で見つけた物を拾い上げる。


「三重野せんぱーい! もしかしてこれですかー?」


きっと期待したんだろう。

弾かれるように顔を上げた三重野先輩は、私の手にあるものを見て……


眉間に皺を寄せた。


「何で私が手裏剣なんて落とすのよっ。アヒルのストラップよ!」