緩やかに流れる川の水は、真夏の熱で火照った体を癒してくれるようで気持ちいい。 「ちょ、ちょっと待ちなさい望月さんっ。影沢君、彼女を止めて」 三重野先輩が水樹先輩に頼む。 だけど、水樹先輩は微笑んで手に持っていた荷物を降ろすと。 「2人よりも、3人だろ?」 そう言って、身をかがめて草の間に目をこらした。 「2人とも……」 本当に、おせっかいね。 三重野先輩の呟く声が聞こえたけど、その声はいつもよりも優しいものだった。