「そ、そう。でも、1人で十分よ」


尚も1人で探すと言い張る三重野先輩。

生徒会室を出た時もそうだったけど、やっぱり焦ってる。

それと、どことなく瞳も必死だ。

本人は1人でいいって言ってるし、本当なら引いて帰るのがいいかもしれない。


……でも。


もしこれが、三重野先輩が意気消沈してしまう原因なのだとしたら。


「1人より、2人の方が見つかりやすいですよ。大事なものなんですよね?」


三重野先輩が水樹先輩の神隠しに関連してるとは思えない。

何より、余計なお世話になっちゃうだろう。

それでも、三重野先輩の落ち込む姿を見たくなくて。


「あ。川の方も探してみますね」


私は靴と靴下を手早く脱いで、透き通る川に足を踏み入れた。