ダメよ、私!

せっかくの先輩との時間をぎこちなくしたらもったいない。
私は変に緊張しないよう、強張りかけていた体の力を出来るだけ抜いて水樹先輩を見た。


「それなら、水樹先輩もですよ」

「俺? 俺は別に何もしてないよ」


そう言って、先輩はキョトンとしながら瞬きする。

そんな水樹先輩の姿に、私は頬を緩ませた。


「カルボたちの事を思って相談を持ちかけたじゃないですか」


確かに、藍君のアイデアは素敵だと思う。

でも、それは先輩が子猫を心配して相談をしたからこそ出たアイデアだ。


──だから。


「先輩も、立派な救世主です」


ね? と同意を求めると。


「君は、俺を気持ちよくさせてくれるのが上手いよね」


水樹先輩ははにかんだ。