──思えば、なんて大胆なことをしたんだろう。
心配になったとはいえ、自分から水樹先輩の手を握るなんて。
昨夜と同じ時刻。
けれど、雰囲気は真逆ともいえる賑やかな場所で私は、右隣に座り、私と同じようにカキ氷を食べる水樹先輩を横目で見ながら、仄かに頬を赤らめた。
今日はこの辺りでも規模が大きいと言われている神社の夏祭り。
夏休みに帰省している人たちも来るので、参道の脇に連なる露天の前は人でごった返している。
その参道から続く石段を上った先、境内にある本殿前に、私は生徒会のみんなと集まっていた。
この辺りは比較的人が少ない。
訪れるのは、おみくじやお守りを買うのを目的とした人くらいだ。
本殿に参拝する人も僅かで、私たちは、そんな様子を眺めながら、本殿脇の石段に腰を下ろしカキ氷を食べていた。