三重野先輩の話に、私たちは緊張で強張っていた体の力を抜いた。

許可を取ってるなら遠慮はいらないとばかりに、赤名君が普通の声で話す。


「じゃあ、別に電気つけてもいいんじゃないですか?」


言いながら、赤名君が電気のスイッチに手を伸ばすと。


「ストップだ赤名!」


会長が強い声で制止する。


「な、何でですか」

「電気をつけたら肝試しにならないからだ」


肝試しじゃなくて、神隠しの真相解明が目的では?

……という突っ込みは、もう今更っぽいので呑み込んでおく。

他の皆も同じ事を思ったのか、誰も突っ込まない。