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恋文〜春風のいたずら〜

総文字数/16,746

青春・恋愛1ページ

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はるうらら。というように『春』を表現する言葉はラ行が多い。 人に見られてはいけない恋文。たとえ見られても大丈夫な恋文。 青草が芽吹く。 日差しは温かく、締め切った部屋は太陽の匂いに満ち、窓の外の空は霞むように広い。 風はまだまだ肌寒く、服に迷う。 天気はあっという間に変わりやすく、昼晴れていた空も向こうの雲は急流に身を任せるままに通り過ぎ、いつの間にか空は灰色に移り変わる。 灰色雲の下で寒そうに人が歩いていく。髪が冷たそうになびいている。 ばたばたと旗を鳴らし、ぽつぽつ雨が落ちてくる。斜めに走るそれに人々は足を速める。 またある日は、広い空の遥か向こうで、雲の端が空に滲むように霞むように浮かんでいる。夕日を浴びたような煙った雲。あの雲がこちらに届くのはいつのことか。 またある日は、雲一つ無く、空は高く、澄んでいるように青く、けれど煙ったように遠くは白く、少し肌寒い風は心地よく、ずっと立っていると背が熱くなるほど日差しは温かい。 そんなはるうらら。恋するものが二人。
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