大賞＜1作品＞　賞金30万円　講評、スターツ出版から書籍化

• 該当作品なし

優秀賞＜1作品＞　賞金10万円　講評、スターツ出版から書籍化

• 該当作品なし

特別賞　講評、商品券30,000円分

『きみがいる、この世界で。』みはし　ゆず /著

野いちご掲載

【講評】

主人公の悩みが等身大で、共感度の高い作品でした。現実世界で友人関係に息苦しさを抱えた主人公が別の世界に行き、そこで出会った友人との交流によって考え方が変わっていく姿も丁寧に描かれていました。ただ、ストーリーに大きな山場がなく、主人公の成長した部分がわかりにくい点はもったいないと感じました。ラストでヒーローと再会する前に、主人公が自ら行動を起こしていくようなシーンがあると、作品のドラマチックさが増し、さらに魅力的になると思います。

佳作　講評、商品券10,000円分

『真夏の死神　君の最大の嘘』相沢泉見 /著

ノベマ！掲載

【講評】

人の寿命が見えるヒロインと出会った主人公は、余命わずかな幼馴染を救おうとするが、そこにはある嘘が隠されていてーー。特殊能力の設定や、ふたりの共通ミッションが冒頭に示されることで、惹き込まれるキャッチーな導入になっています。キャラクターも魅力的でエンタメ感は十分。ただ、主人公の恋愛感情がヒロインに向くのか、幼馴染と成就するのか、着地がわかりづらい印象がありました。三角関係を描く場合は、当て馬の役割をはっきりさせ、一対一の恋愛作品として描くとより感情移入しやすく、切ない作品になると思います。

佳作　講評、商品券10,000円分

『四季折々』結祥唯 /著

ノベマ！掲載

【講評】

死季病だった同級生の死から前に進めない篠宮湊はある日、同じ死季病の少女、水瀬詠に出会って――。ファンタジックな設定感から、後半は王道で展開がわかっていても思わずグッとくるシーンが多く面白かったです。ただ、少し要素を詰め込みすぎていて、各エピソードや要素が上手くまとまっていない印象でした。ひとつ本作の軸となる部分を決め、そこをブラさずに物語を展開できると、全体としてのメリハリもつき、泣き所でよりしっかり泣ける魅力的な作品になったかと思います。

読者賞＜作品数未定＞　講評、商品券3,000円分

『誰もいないこの世界で、君だけがここにいた』深山琴子 /著

野いちご掲載

【講評】

作りこまれた世界観で、共感性が高く素敵な作品でした。特に後半にかけて、ヒーローがヒロインに忘れられそうになるところを必死に変えようとする姿がとても良かったです。ただ、冒頭の記憶が消える設定の説明部分にやや難しさを感じてしまいました。もう少し設定をすっきりさせるとさらに素敵な作品になると思います。また、前半部分にヒロインの暗さを少し感じてしまいました。後半にかけてしっかりとヒロインが前向きになっていく姿は魅力的だったので、前半部分のヒロインの暗さをもう少しマイルドにするとさらに魅力的になるかと思います。

受賞されたみなさま、おめでとうございます！

そしてたくさんのご応募、ありがとうございました。

個性豊かな作品の数々、楽しく読ませていただきました。

たくさんのエンタメに囲まれているいま、読書に求めるものってなんでしょうか。

物語の主人公に自分を重ね、想いに共感し、勇気づけられる。

読んだ後に、ちょっと違う世界の扉が開いたような気がする。

静かに文字と向き合うひとりの時間の中で、そんな新鮮な気持ちをくれるものではないかなと思います。

今回は「青春小説」をテーマに募集しました。

等身大な悩みや、続きを気にさせる仕掛けなど、たくさんの工夫が散りばめられていて、読んでいてとても楽しかったです。

その一方で、キャラたちへの共感性や、エンターテイメントとしての盛り上がりが足りず、「もったいない！」と思う作品も多かったです。

自分を重ねた主人公が迎えるラストには、楽しい予感があると嬉しいですよね。

ぜひ、「読後感」も意識をしていただくと、さらに素敵な物語になると思います。

「野いちご」「ノベマ！」では、いつでもあなたの作品をお待ちしています。

素敵な物語を、一緒に作っていきましょう！

書籍編集部一同