【 大賞 】

該当なし

【 優秀賞 】

『来年の夢をみれば、心も笑う。』長久／著

《講評》

心臓の病によって余命宣告を受けていた耀治は、川で溺れていた少女・夏葵を救う。向日葵のように明るい彼女。二人は事故をきっかけに距離を縮めていくが…。彼女にもまた”ある秘密”があり――。

まさに青春ボーイミーツガール。10代編集部の皆様同様、王道ですがとても感動しました。それは、耀治と夏葵を、そして二人の恋を応援したくなるほど、彼らに惹かれていたからだと思います。それほどに魅力的なキャラクターでした。また王道の中にも随所にオリジナリティ溢れる設定や表現が見られたのも、新鮮さがあり、楽しんで読むことが出来ました。

細やかな仕掛けや伏線などを上手く張ることができれば、さらに大賞に近づく作品になったかなと思います。おめでとうございます！

（スターツ出版文庫編集部）

【 特別賞 】

『それでもキミと、愛にならない恋をしたい』蓮美ちま／著

《講評》

幼い頃に大好きな母親を亡くした高校一年生の菜々は、父親の再婚を受け入れることができなかった。母を想い続ける自分に対し、別の女性を選んだ父が許せず、家にいる間はいつも息苦しかった。そんなとき、憧れだった先輩・楓と親しくなるが、そんな楓もある秘密を抱えていて――。

作品を読み終わった後に、思わず感嘆のため息が漏れるほどのピュアな作品でした！菜々も楓も完璧ではなくて、お互いに弱さを見せあいながら成長していくストーリーは前向きで素敵です。また、言葉選びも非常に丁寧かつ、ストーリーの構成もしっかりしているので読みやすく、作品に没頭できました。

やや設定が盛りだくさんな印象を受けたので、いまある設定を活かしつつ、視点の変更などを見直していければ、より良い作品になるかと思いました。

（スターツ出版文庫編集部）

【 U18審査賞 】

『来年の夢をみれば、心も笑う。』長久／著

《講評》

どの作品も魅力的な中で、最も審査中の会議室が白熱したのが本作の審査でした。それだけ皆熱い思いがあったのかなと思います。

全員の意見として合致したのは”とにかく感動して泣ける作品！”ということ。10代編集部として、同世代の読者にぜひ届けたい作品だなと本作を選ばさせていただきました。審査の中で出た熱いコメントを下記に掲載いたします。

• 切なくて悲しいけど、ページをめくる手がとまらなかった！激推しです。
• 先がどうなるんだろうと凄く気になりながらグイグイ読んでしまいました…。展開が予想できなくて、面白かったです！
• どのキャラクターも個性がたっていて、とても魅力的でした。全員を好きになりました。終盤が駆け足だったのだけ少し物足りなかったので、もっと読みたいです。
• とにかく泣ける！電車でぐしゃぐしゃに泣いてしまった。
• 夏葵ちゃんがかわいい…。二人を応援して、でもだからこそ泣いた。
• 自分も頑張って生きようと思いました。勇気を貰える作品でした！

（U18編集部）

【 noicomi賞 】

『今宵、この口づけで貴方様を―』　中小路かほ

《講評》

呪術家系に生まれながらも呪術を使えない少女・和葉。優秀な妹に対して両親からは愛情を注がれず日陰に生きている彼女だが、呪術師・玻玖のもとに嫁ぐことに。

自分たちより強力な呪術を使う玻玖を排除したい両親の命令で、和葉は結婚生活の中で玻玖を暗殺するように命じられてしまい――。

昨今大ブームを引き起こしている「和風ファンタジー」ですが、この作品は王道設定を残しながらもプラスαがしっかりと描けており他作品との違いを出せている点で高評価を集めました。

ヒロインがヒーローの暗殺を試みるという設定の斬新さに加えて、思わずヒロインが暗殺を躊躇してしまうほど真摯に愛情を注ぎ続けるヒーローがとても格好良く、魅力的に描写されている点が「大人もときめく少女マンガ誌」を掲げるnoicomiでのコミカライズというnoicomi賞のコンセプトにピタッとハマり、noicomi編集部満場一致での受賞となりました。

（noicomi編集部）