私はげんなりとデスクに戻った。

みんなにおめでとうと声をかけられながら。


疲れた。
もう、一日分は仕事した。


「やだ~ウメさん、私知らなかった~!部長と付き合ってたなんて~!」


横から夢子ちゃんが顔を出してくる。


「ごめん、言えなくて。社内だったからずっと内緒にしてたんだ」


私は苦笑いを作る。


「やだもう!いつの間にですよ!恋が生まれてたなんて~!しかも一色部長みたいなイケメン捕まえてずるい~!」


えぇーい、夢子。
あんたが彼氏いるのに、総務の佐藤くんと非常階段でイチャこいてたの知ってんのよ。
しかも佐藤くんは新婚だっての!


「ここに入ってるんですね~」


夢子ちゃんは感慨深い声で言って、私のお腹をそっと触ってきた。


「うん……、夢子ちゃん、あんた何泣いてんのよ」


「あー、なんか感動しちゃいまして」