近所のファミレスで向かい合った。
時間は17時過ぎだけど、店内はすでに家族連れで混み始めてる。


「部長、マンションの購入費用や家具、ありがとうございました。私も半分出します」


注文を終え、ドリンクバーを取ってくると、あらためて私は頭を下げた。
部長はコーヒーを一口飲んで言った。


「馬鹿にするな。俺だって一応、結婚資金くらい貯めてたんだ。充分賄えたから、気にするな」


「私だって貯めてましたよ」


「それは、式に使おう。あと、これから産休までのおまえの給料は全部貯めておけ。家計費は俺が渡す」


「え?でも」


「子どもが産まれれば、おまえの収入は当面無くなる。急にまとまった金が必要な時もあるだろう。予備費にしておけ」