いつもの病院に着くと、処置室に通される。
ちょうどお産が入って病院に来ていたおじさん先生が姿を現した。


「気持ち悪いんだって?点滴を処方しといたから、ここで受けてってね。私はこれからお産に入っちゃうんだけど、午前診療のどこかで診れるから」


「あの……先生、私ずっと食べてないし、赤ちゃんの様子もあれっきり見てなくて……心配で……」


「あー、はいはい」


馴れた様子で看護師さんに指示を出すと、先生は行ってしまった。
私と、一緒に処置室にいる部長はポカン。

すぐに別な看護師さんがコンパクトな機械を持って現れた。

あ、この人、私にティッシュを渡してくれた人だ。
胸のプレートの助産師の文字。
看護師さんじゃなかったんだね。


「梅原さん、トイレはさっき済ませましたよね。こちらのベッドに寝てください。点滴は2時間くらいで、2本ね」


私は言われるがままに、コートを脱ぎ、ベッドに横になる。
腕に点滴の針が入る。

助産師さんは上掛けをかけてくれたけど、すぐに膝まで下ろす。


「お腹出しますよ」


「え!?」